研究方針・研究分野

知的制御システムの理論と応用

人間を含め,あらゆる生物が日常的に行っている情報処理は大変高度で,その意思決定能力と環境適応能力を工学的に模倣し実現することは現在の科学技術を以ってしても容易ではありません.本研究室では,この高度情報処理能力を実現し,様々な工学システムへと応用するため,環境との物理的・情報的相互作用を前提とした新しい知的制御システムの研究を行っています.

本研究室では主に次の3つの分野について研究しています.

1. サプライチェーンマネジメント,スケジューリング,システム最適化

近年の経済システムのグローバル化に伴い,生産・流通システムにおいて,モノや情報の流れを効率よく制御・運用することが重要になっています.ここ数年の計算機性能の向上や情報ネットワークの普及により,従来では考えられなかった大規模なシステム運用が可能となってきており,本研究室ではこの問題に対してシステム論的アプローチによる研究を行っています.

2. オートメーション,シーケンス制御,離散事象システム

多くの産業システムでは,ON-OFFの論理を組合わせたシーケンス制御が使われていますが,意思決定機構を設計者が直接実装する現在の設計法は大変な労力を要します.この問題に対して数理的手法を用いて解析や自動設計を行う方法について研究しています.大変,応用範囲の広い,未開拓の研究分野です.

3. モーションコントロール,ロボティクス,メカトロニクス

メカトロニクスとも呼ばれる電気機械複合系に対する運動制御;モーションコントロールは,電気機器の性能向上や制御理論の発展により,ここ十数年で飛躍的な進歩を遂げました.現在では,さらなる高性能化・知能化が求められています.本研究室では,従来は外乱として抑圧の対象だった環境からの情報を積極的に利用した新しい知的モーションコントロールの研究に取り組んでいます.

研究を進める上で利用する道具立ては,主に制御理論,最適化理論,情報理論です.研究ではこれら理論を単なる道具として用いるだけでなく,それらを新たな理論へと発展させることも重要になります.究極的には,人間の知能を機械で実現することを目指しています.また,テーマによっては理論解析やシミュレーションだけでなくオリジナルなアイデアを実験的に検証することも重視しています.


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